君といる未来
「去年の秋にね。まさか自分がこの年で結婚なんて思ってもみなかったよ。ヒロ君は予定ないの?」

「……。忘れ物が多すぎてね。」

「アハハッ、なにそれぇ〜!意味わかんなーい。」

10年ぶりだというのに、澤村の笑顔を見ていると時間の経過を感じない。
不思議な気持ちだ。

「澤村、ちゃんと夢叶えたじゃねぇか。」

「う〜ん、まぁね…。」
意味ありげな回答が返ってきた。

「何かあったのか?」

「………。お嫁さんになるにも色々とあるんだよ。」
しばらく黙ったあと、澤村はそう答えた。

「ヒロ君はデザイナーどうなの?ヒロ君の事だから、もしかして世界を飛び回ってるんじゃないの?昔から落ち着きがなかったんだから。フフッ。」
楽しそうに笑っている。

「バカにしてんのかよ。俺は敦也とは違って冷静が売りなのに。」
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop