Love Slave
口がポカーンとなる。その様子に、日向先輩は目からキラキラ光線を放つ。


「な、何の話ですか?」


「何言ってるのよ!貴女の本命は誰ですかって話よ、生徒会のメンバーの中で誰が一番好きなの!?」


「好きって!?」


日向先輩はすくっと立ち上がり、天井を見上げながら語り出した。


「貴女はこの重要性を分かっていないの?あんなイケメンだらけな生徒会が他にあると思う?貴方の立場は逆ハーなのよ、逆ハー!!なのに、あの中でときめいている人がいないなんて絶対おかしい!!」


この人は恋愛至上主義と語る。愛読書は少女漫画、夢見る乙女なのだと。


(なんか・・・・ついていけない・・・・)


「今くだらないみたいな顔したわね!質問に答えなさい、貴女はいつも会長から送迎されているわね?会長のこと好きなの?」


「誤解しないでくださいよ、あれは会長が勝手にやっている事なんですから・・・」


「とか言って、本当は気になるんじゃないの?」


しつこいなぁ、この人・・・・。生徒会の会議があるし、さっさと行かなきゃなんないんだけど。


「それじゃあ、副会長は?」


副会長と訊かれて、ドキ―ンとした。
それが顔に表れたのか、日向先輩はにやりと笑った。


「会長も捨てがたいけど、副会長もいいわよね~。カッコいいし、優しいし」


「そ、そうですね・・・・」


「好きなんでしょ!?」


ドストレートに聞いてくる。新聞記者というよりも探偵さんみたい。このままだとキリがなさそうだ。
私は口を結び、逃げ出しを図る。


「逃がしはしないわ、遠藤!後藤!!」


2人の刺客を呼び出し、私の後を追ってくる。
足には自信がないのだが、逃げ足だけは自信がある。曲がり角を利用しながら必死で逃げる。




「部長、申し訳ありません・・・・。見失ってしまいました」


「そう、でも作戦は成功したわ。彼女を徹底的にマークするわよ、大スクープを狙うためにね」
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