Love Slave
心の奥底から出した悲鳴に一同、耳を塞ぐ。


「お前・・・中耳炎にでもなったらどうする気だ」


「そんなこと言ったって、これ全世界放送されちゃったんですよ!?」


「さすが大和、やることが違うな~」


感心してる場合ですか、副会長・・・・・。


「大変なことが起こりました!ペット発言から一転、相棒に生でキス!!会長、一言お願いしますっ」


カメラが再びズームアップしようとした時、会長は形相を変えて腕を伸ばした。


ガッ!!


「うぉっ!?」


会長の大きい手がカメラのレンズを覆いかぶる。テレビ画面が総てザーッと砂嵐になる。


「何が起きたんだ?」


「会長出せ、会長を!」


突然の事にざわめきが止まらない。全校生徒の把握は出来ていないので、生徒会自身としては対応が出来ない。



その一方で、スタジオ内では大騒ぎから一変して修羅場と化していた。


「・・・・どういうことですか、大和様。こんなにも滅茶苦茶にして・・・・・」


新聞部が知らぬ間に、総てのデータの消去と処分を行っていた。今回、ほとんど出番がなかった椚先輩と等々力先輩によって。


「ちゃんと取材を受けてくれるって約束じゃ・・・・」


スッと会長は何かを取り出した時、日向先輩は一気に青ざめる。
その様子を楽しむかのようににっこりと笑う。


「これ、なーんだ?」


小さな正方形。何かの部品みたいなの。


「それは・・・・・」


「アンタら、コイツを利用してこんな盗聴器を仕掛けたんだな?」


えー、嘘、いつの間にそんなものが・・・・。


「他にも色々と心当たりありますよね?無断で入館、盗撮、スト―キング行為・・・・」


「この生徒会が許してくれると思った?」


「一応、これ以上のゴシップを載せられると困るんだけどなぁ?」
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