Love Slave
カランカラン・・・・


ナイフが回転しながら椚先輩のほうへ飛んでいく。


強盗は頭を打ったのか、仰向けになって目を回していた。


「う・・・・っ」


気を失い、薄らと目を開ける。


ドガッ!!


「ひい・・・・・っ」


椚先輩がナイフを二刀流にして構えたのち、首筋ギリギリのところで床にナイフを刺した。


「・・・それで、他にご注文はございませんか?」


重低音の声で言った。その顔は言葉では表現できないような恐ろしい形相をしていた。


「ご、ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃ」




その後、警察官が到着し、強盗はそのまま連行された。
椚先輩の活躍(?)により、店の売上金は盗まれずに済み、被害も大きくならなかった・・・・私を除いては。


「いたたた・・・・」


「・・・何だ、立てないのか」


私は商品棚の前で座り込んだままだった。右の足が痛すぎて立てない。どうやら、飛ばされた時に足をひねったらしい。


「伊藤君のおかげで被害が最小限に済んだよ、ありがとう!」


「・・・いえ、お客様がお怪我をされてしまったので・・・・」


「そうだね、今・・・・・」


「・・・俺が手当てします。もう定時ですし、上がってもいいですか?」


手当て?椚先輩が???


「うん、今日はありがとう。お疲れ様!」


「・・・行くぞ」


ひょいっ
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