Love Slave
♪~♪~♪~


すごいな・・・・。大宇宙が目に浮かんでくる。心が和んでいく。あの時も思ったけど、彼の頭の中に楽譜があるみたいだ。


「素晴らしいよ、アル」


「すごいよ、アル君!」


「ありがとうございます・・・・・」


アル君は褒められているのに、何故か浮かない顔をしていた。
私はその顔が妙に気になった。



「それではお祖父さん、また来ますね」


「御馳走様でした」


演奏の後、巷で有名なロールケーキをご馳走してくれた。私の胃袋は満足していた。


外に出ると、夕陽が落ちて闇夜になろうとしていた。


二人はてくてくと来た道を戻る。一度学校に戻って荷物を持ってこないと。
私はあの感動をもう一度言いたくなった。


「ねえ!即興曲もすごいと思ったけど、木星もすごかったよ!」


「そう・・・ですか?」


「あんなに賞を取ってるくらいだもん、やっぱり世界クラスは違うね~」


「・・・・トロフィーや盾なんて、ただの置物ですよ」


「え・・・・・?」


耳を疑った。でも、アル君の横顔はさっき見た浮かない顔と同じだった。


「ごめんなさい、付き合ってもらってしまって・・・・」


「いや、いいけど・・・・」


私はちょっと聞いてみることにした。もしかしたら、関係あるんじゃないかって。


「アル君はどうして生徒会に入ったの?」
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