Love Slave
私の膝枕でぐっすりしてしまった。


「アル君!おーい・・・・・」


返事はない。寝息がするだけ。


私は彼の肩を揺さぶる。


「起きてよー、困るんですけど!お客さん、終点だよ!!」


スースー・・・・・


昔の流行語を言っても起きやしない。まったくもう、と呆れてしまう。
よっぽど寝てないんだな。コンサートも近いみたいだし。


「・・・・・・」


寝顔をジッと見つめる。


やばい・・・・寝顔可愛い。ただでさえ、アル君の外見は中世的な顔つきしてるから余計にそう感じてしまう。


壮大な例えをしてしまうと、まるで、天使が眠っているかのよう。


うずうずして、いけないと分かっていても我慢できなかった。


金色の髪をそっと撫でる。彼は金でフルートは銀、音も色もハーモニーを奏でているよう。



「ったくよ、我が奴隷は何処のコンビニまで行ってるんだ?」


大和はいてもたってもいられず、生徒会室から飛び出した。
そして、通りかかりの多目的ホールに目が入る。


穏やかな顔をする自分の奴隷と奴隷の膝で眠るアルターレ。
脚を止め、ガラスの向こう側で見つめる。


アル君が眠っている時間はそう長くはなかった。


「はっ、僕は一体何を!?」


自我に戻ったアル君は非常に驚いて飛び起きる。目覚めると、膝の上で寝てたものだから。


「い、いいの!アル君、疲れてたようだから・・・・・」


「申し訳ないです・・・・」


「だ、大丈夫よ!でも、別のところで寝た方が・・・・・」


ギュッと私の手を握ってきた。冷たいけど、さっきよりも強くて熱い。
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