Love Slave
一体何が起こったのだろう?
とりあえず、ド緊張の中でスピーチをしたことは覚えてる。
それ以降のことは……。
壇上から降りた後、すぐさま女子生徒が一斉にわんさか私のところに湧いてきた。みんな鬼の角が生えたみたいに恐ろしい形相で迫ってくる。
「ちょっとアンタ!! 一体どういうことよ!?」
「大和様に近付くなんて100万年早いわよ」
「生徒会に任命!? あり得ないからっ」
「あの……ちょっと……」
もうスピーチの時みたいに大人しくしてくれない。会長もその時はいなかったので、誰も庇ってくれない。
おまけに帰りのHRでは、
ピンポンパンポン♪
「お呼び出しいたします。1年C組の早乙女もとかさん。HR終了後、生徒会室までお越しください」
しかも会長本人の放送だ。1/f揺らぎが発生してるんじゃないかと思うくらいのハスキーで甘い声。
「ぎゃー、会長の放送が入ったわ!!」
「生徒会棟への許可!? 庶民の分際で、生意気なのよ」
庶民と言っても、アンタも庶民だろうがというツッコミはなしらしい。
本当は即座に帰りたかった。でも、呼び出されたからには行かないと。携帯のこともあるし、それに……。
私は逃げるように教室から去った。何人かが追いかけてきたのは分かった。何だか大規模な鬼ごっこしている気分になる。
命からがら、校舎の離れにある生徒会棟に何とかたどり着くことができた。
行くべきなのか。正直、このまま帰りたい。
「そこの君! 何をしているっ」
昨日はいなかったのに、今日は生徒会棟の前にロンドンで見るような兵隊の格好をした守衛が立っていて、止められてしまった。
やばい、建造物侵入で警察沙汰になるとか言われるのか。学校の敷地内とはいえ、最高権力者が集まる生徒会棟だ。あの会長が本気でつまみ出すかもしれない。
「あの……」
「ああ、あなたは大和様の……。失礼しました、ご案内いたします」
私の顔を見て、すぐに敬礼した。まさかの顔パスらしい。
しかし、守衛まで会長のことを「大和様」なんて呼ぶのかよ。どんだけ立場が上なんだ。
(最高権力者だから当たり前かもしれないけど……)
とりあえず、ド緊張の中でスピーチをしたことは覚えてる。
それ以降のことは……。
壇上から降りた後、すぐさま女子生徒が一斉にわんさか私のところに湧いてきた。みんな鬼の角が生えたみたいに恐ろしい形相で迫ってくる。
「ちょっとアンタ!! 一体どういうことよ!?」
「大和様に近付くなんて100万年早いわよ」
「生徒会に任命!? あり得ないからっ」
「あの……ちょっと……」
もうスピーチの時みたいに大人しくしてくれない。会長もその時はいなかったので、誰も庇ってくれない。
おまけに帰りのHRでは、
ピンポンパンポン♪
「お呼び出しいたします。1年C組の早乙女もとかさん。HR終了後、生徒会室までお越しください」
しかも会長本人の放送だ。1/f揺らぎが発生してるんじゃないかと思うくらいのハスキーで甘い声。
「ぎゃー、会長の放送が入ったわ!!」
「生徒会棟への許可!? 庶民の分際で、生意気なのよ」
庶民と言っても、アンタも庶民だろうがというツッコミはなしらしい。
本当は即座に帰りたかった。でも、呼び出されたからには行かないと。携帯のこともあるし、それに……。
私は逃げるように教室から去った。何人かが追いかけてきたのは分かった。何だか大規模な鬼ごっこしている気分になる。
命からがら、校舎の離れにある生徒会棟に何とかたどり着くことができた。
行くべきなのか。正直、このまま帰りたい。
「そこの君! 何をしているっ」
昨日はいなかったのに、今日は生徒会棟の前にロンドンで見るような兵隊の格好をした守衛が立っていて、止められてしまった。
やばい、建造物侵入で警察沙汰になるとか言われるのか。学校の敷地内とはいえ、最高権力者が集まる生徒会棟だ。あの会長が本気でつまみ出すかもしれない。
「あの……」
「ああ、あなたは大和様の……。失礼しました、ご案内いたします」
私の顔を見て、すぐに敬礼した。まさかの顔パスらしい。
しかし、守衛まで会長のことを「大和様」なんて呼ぶのかよ。どんだけ立場が上なんだ。
(最高権力者だから当たり前かもしれないけど……)