Love Slave
「何でこうなるんですか~!?」


生徒会室に連れていかれたらすぐにビニール紐で身体を縛りあげられてしまった。
しかも、亀甲縛り。アリスの格好のままだから余計に恥ずかしい。


「約束をすっぽかした罰だ。しばらくそうしてろ」


「ふざけないでください!早く、解いて・・・・・」


「解いて何処へ行くつもりだ?」


「それはその・・・・」


会長は総てお見通し、みたいなドヤ顔で私を見る。
会長の眼って本当に苦手。アナライザーみたいなんだもん。


「アルがそんなに気になるか?お前は本当に分かりやすい奴だな」


「ほ、放っといてください!!」


「ほう~?」


ぐいっと首に引っかけたビニール紐を人差し指に引っかけて、私を手繰り寄せる。


「所詮、アイツは亀に負けた愚かなウサギだ」


「どういう意味ですか・・・?」


不思議の国のアリスのウサギではなく、ウサギとカメを掛けているのか?しかし、何故。


「ここで罰ゲームを追加しよう。人間の肉でも・・・・・」


「どんだけ鬼畜ですか!?」


言い終わる前に却下した。絶対この男はサディストになるために生まれてきたんだ。
他の女の子にはそういう風に接しないのに、どうして私だけ・・・・。


「そうかよ。そんじゃ、俺はトイレ行ってくるからな。・・・逃げんじゃねぇぞ」


充分な脅しだった。私の方が漏らしてしまいそうだ。


バタン、と会長が出て行って、生徒会室は静まりかえる。静かすぎて、不気味だ。


♪~♪~♪~


「え・・・・・?」


幻聴なんかじゃない、私の耳にはっきり聴こえた。


聴き慣れたフルートの音色が。
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