Love Slave
まさか用心棒をやらされるなんて。っていうか、ある意味命狙われてるようなもんなのに、私を指名するなんて!


(本当に私で務まるんだろうか・・・・・)


でもまあ、実はアル君に渡したいものがあるんだよね。


「アルターレ様、今日のコンサート頑張ってください!」


「応援してます~」


「皆さん、ありがとうございます」


その可愛らしい会釈に女子生徒達はぞっこんになる。


「よお、アル。調子はどうだ?」


「大和さん、それにもとかさん。おはようございます。はい、だいぶ楽になりました。要さんがつきっきりで看病してくれてますから」


「・・・思ったよりも治りが早い」


全治10日が早まったようだ。ただ、完治したわけではないので油断はできない。吾妻梓もまた何か企みがあるかもしれないし。


「それにしても、今日のコンサート楽しみだね~。僕、今日は興奮してなかなか眠れなかったよ!」


副会長、超マイペースで能天気発言・・・・。楽観的で羨ましいよ。


「そうだ、今日はコイツがアルの用心棒に任命された」


ロータリーのど真ん中で宣言された。
みんながみんな、口をあんぐりとさせる。


「撫子ちゃんが・・・・用心棒・・・・?」


「・・・命が危ない」


「エー、何?あの女がアルターレ様の護衛になるっていうの?」


「アイツがやるなら私がやるのに~」


「だいたい彼女は大和様のペットでしょ!」


予想通りの批判が飛び交う中、アル君は私の手をぎゅっと握ってきた。


「それでは・・・・今日一日、よろしくおねがいしますね」


その返事に、胸がキュンとなる。


「は、はい!承りました!」
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