Love Slave
あんな笑顔で頼まれたら断れないじゃない~。


「よっしゃ、それじゃあ頼むぜ。もっか♪」


会長に両肩をがっしり掴まれる。
その表情は笑顔だ。


なのに。


「てめぇ、絶対ヘマするなよ。絶対だぞ!!」


顔に脅し文句が書かれているのは気のせい?すっごく殺気がするんですけど・・・・。


「やれるよね、撫子ちゃんだったら!」


副会長からエールをもらった。そこからはさっきは感じられない。


「はい、頑張ります!」


「んじゃ」


カポッ


突然、何かを被らされた。『安全第一』と記された工事現場の作業員がかぶってるヘルメット。


「・・・・何ですか、これ」


「危険防止のための安全対策」


「・・・お前が一番危険そうだ」


椚先輩、一言多すぎ。でも、アル君はクスッと笑った。何だかバカにされてるみたい・・・・。


その日、私はアル君の監視のため、彼に同行することが決まった。今日の授業はある意味サボりだけど、生徒会の力で何とかなるらしい。
進学コースの授業だけど、難しくて訳分からない。付いていけてないし。先生の音読が子守唄に聴こえてしまう。


隣でついウトウトしてると、アル君が耳元で


「もとかさん、会長がお呼びですよ?」


「はい、ご主人様!!」


思わず大声で立ち上がる。思いっきり恥を掻く。
いかんいかん、護衛なのに。


(それ以前に、アル君て結構意地悪~)
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