Love Slave
「何、何!?きゃ・・・・・」


ガタガターン!!


二人して豪快に倒れる。無理して身体を動かしたから、バランスが崩れた。


「いたたた・・・・」


私は後頭部を少し打った。


「・・・・ん?」


胸のあたりに違和感がある。見ると、アル君が私の胸の上でうつ伏せになって倒れている。


「ちょっと、アル君!大丈夫!?」


「え、ええ・・・・」


ゆっくりと起き上がる。


「ごめんね、無茶しちゃって・・・・・」


「・・・・・・」


真顔のまま、私の顔をじーっと見つめている。


「何、どうしたの?」


「・・・・噂通りなんですね」


嘲笑いながら言われた気がした。
噂って何さ。まさか、私の胸のカップ数がA65ってことか―!?


(悪かったわね、胸なくて!!)


一気に不機嫌になる。でも、それも一瞬で終わった。


(もしかして、一生ここに閉じ込められるんじゃ・・・・)


考えるだけでも嫌だ。こんな狭苦しい所で飲まず食わずなんて。


「何か・・・・ごめんなさい。僕のせいで巻きこんでしまって・・・・」


突然、アル君が謝り始めた。さっきの態度とは180度違う。


「な、何言うのさ!そもそも、私は用心棒なのにアル君を護衛できなくて・・・・」


「貴女に用心棒は似合いません。もとかさんは、僕が守ります」
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