Love Slave
「きゃー、航一朗様!


「要様!」


「アルターレ様!」


生徒たちの歓声は変わらない。生徒会HPも炎上していないみたいだし。


まるで、始めからこうだったみたいに。





「お茶をお持ちしました、ご主人様・・・・」


思わず口走ってしまった。
新会長がきょとん、とする。


(バカーッ、もう奴隷じゃないのに・・・・・)


「ありがとう、僕の可愛いメイドさん♪」


ノリがいいよな、この人・・・・。


「もとかさん、ここの資料、誤字脱字だらけですよ。もう半年も庶務をやっているのに・・・」


「・・・計算間違い、1桁」


「はーい・・・・」


自分の机で訂正する。仕事もいつもと同じ。


なのに、何で?
何でみんな普通に過ごしてるの?


(こんな思いしてるのは私だけ?)


首輪も付けられてない、リードにも繋がれてない。苦しさからやっと釈放されたのに、空気が不味い。


「どうしたの、撫子ちゃん?」


新会長が顔を覗き込んできて、ドキッとする。


「い・・・いえ。ちょっと、外の空気吸ってきますね」


そそくさと出て行った。
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