Love Slave
何だか気のない返事が返ってきた。
本当に教師か、と思ってしまうほど。


胸ポケットから煙草を取り出し、ジッポで火を付ける。
っていうか、私、煙草嫌いだから吸わないでほしい。校内なんだから、煙草は控えてくださいよ。


(教師の自覚もないのか、この人は・・・・・)


「早乙女ちゃんはさ、草薙に惚れてるの?」


顔から火が出た。


「何言いだすんでですっか!!」


「顔が真っ赤。図星でしょ★」


かかか、と笑われた。
ふざけんな、このダメ顧問・・・・・。


「忙しいので失礼します!」


「まあ、待てって。君が焦るのも無理ないよ。君が思っている以上に、生徒会執行部の絆は深いんだから」


絆・・・・。


(みんな、会長を見捨ててないってこと?)


「直に動くよ。俺の勘だけど。草薙に戻ってきてほしいんだろ?」


「・・・・・・」


返事が出せなかった。あんな最低最悪な奴の奴隷にされていたのに、自分の中にすっかり定着していた。


「それじゃ、俺はもう行くわ。早乙女ちゃんも、いつまでもサボっちゃダメだよ」


「そうじゃありませんって!」


この人の本心が見えない。調子が狂う。


でも、今までだって生徒会は一致団結してきた。それは会長がいたから。


会長が不在の時、生徒会はどう動くんだろう。
このまま、あの雲のように流れるままに日常を過ごすことになってしまうんだろうか。
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