Love Slave
「はあぁ!?」


呆気にとられる。
一体何度突拍子もない言葉を出せば気が済む?


「それとも、一生俺の奴隷のほうがいいか?」


「・・・・・嫌です」


これは断言する。何度聞かれても、同じ答えを出す。


この人の奴隷のまま、これからの人生を歩むなんて絶対嫌だ。


奴隷解放されるなら、当然と言っちゃ当然な疑問が生じる。


「・・・それでは、私は会長の何になるんですか?」


「そうだな・・・・・」


首をかしげるが、考えてるフリにしか見えない。
ペットとか召使いとか、言ってきたら奴隷と同類じゃないか。


「そんじゃ、手ぇ出してみろ」


「手・・・・ですか?」


「早く出せ」


恐ろしい形相で言ってきた。悪魔だ、この人。
囚われた人間みたいに、あたしはおずおずと手を差し出す。


「ちょっと、目を閉じろ」


「目を?」


「とーじーろ」


「は、はいっ」


脅迫の恐怖に瞼が伏せる。


ん?待てよ。手を差し出して、目を閉じるということは・・・・。


(ゆ、指輪をはめてくれるんじゃ・・・・)


私、今花嫁衣装着てるし。


ドキマギしながら、会長の言いなりになる。


「ほい、目ぇ開けてみろ」
< 278 / 281 >

この作品をシェア

pagetop