Love Slave
彼の名は草薙大和。眉目秀麗の超絶イケメン。
草薙財閥に大和お坊ちゃま……総て結びつく。
(つまり、大金持ちの御曹司ってこと!?)
大変な人と知り合ってしまった。私の心配とは裏腹に、何も知らない母親は興味津々。
「ね、ね。なかなかのイケメンじゃない!」
バシバシ力加減なしで私の背中を叩く。
見た目は、ね。っていうか、騙されちゃダメ!
それなのに、母親の双眸にハートマークが浮かび上がる。
「もとかさんのお母様ですか? 初めまして、草薙大和と申します。生徒会長を務めております。彼女には今日から生徒会の手伝いをしていただこうと思いまして」
「まぁ、生徒会に!?」
「はい、私がスカウトしたんです。良い娘さんですね」
「あら、やーだ」
おいおいおいおいおいおい。
変な展開になってきたぞ。そして、簡単に話に乗るな、母ちゃん!!
私が今まで生徒会に立候補なんてしたことなかったのに!
「これから毎日迎えの者が参りますので、よろしくお願いいたします」
(ま、毎日だって!?)
聞き捨てならないセリフに物申そうとしたが、母親は鼻孔を膨らませて身を乗り出す。
「よろしいんですか? よかったわね、もとか」
全然よくないっ。勝手に話が進んで私が会話に入る余地さえない。何でこんな奴と登校しなきゃなんないのよ。
「もとか様、どうぞお乗りください」
安元がゆっくりドアを開ける。中が暗くて分からないが、こんな車に乗るなんて。
私は奥歯を嚙み締め、かぶりを振る。
「私はいいです。普通に歩きで行きますんで」
「遠慮しないでよ、もとか」
呼び捨てされた。ちょこっとドキッとしてしまったじゃないか。
遠慮し続ける私に会長は車から降りると、横について肩に腕を回してきた。しなやかな指先だが、力強い。それに至近距離でもイケメンは心臓に悪い。
わなないていると、耳元でそっと囁く。
「さっさと乗らねぇとしばくぞ、コラ」
血が一気にサーッと足元に向かって急降下する。何だか逮捕されて無理矢理パトカーに連行された犯人みたいになってしまった。
草薙財閥に大和お坊ちゃま……総て結びつく。
(つまり、大金持ちの御曹司ってこと!?)
大変な人と知り合ってしまった。私の心配とは裏腹に、何も知らない母親は興味津々。
「ね、ね。なかなかのイケメンじゃない!」
バシバシ力加減なしで私の背中を叩く。
見た目は、ね。っていうか、騙されちゃダメ!
それなのに、母親の双眸にハートマークが浮かび上がる。
「もとかさんのお母様ですか? 初めまして、草薙大和と申します。生徒会長を務めております。彼女には今日から生徒会の手伝いをしていただこうと思いまして」
「まぁ、生徒会に!?」
「はい、私がスカウトしたんです。良い娘さんですね」
「あら、やーだ」
おいおいおいおいおいおい。
変な展開になってきたぞ。そして、簡単に話に乗るな、母ちゃん!!
私が今まで生徒会に立候補なんてしたことなかったのに!
「これから毎日迎えの者が参りますので、よろしくお願いいたします」
(ま、毎日だって!?)
聞き捨てならないセリフに物申そうとしたが、母親は鼻孔を膨らませて身を乗り出す。
「よろしいんですか? よかったわね、もとか」
全然よくないっ。勝手に話が進んで私が会話に入る余地さえない。何でこんな奴と登校しなきゃなんないのよ。
「もとか様、どうぞお乗りください」
安元がゆっくりドアを開ける。中が暗くて分からないが、こんな車に乗るなんて。
私は奥歯を嚙み締め、かぶりを振る。
「私はいいです。普通に歩きで行きますんで」
「遠慮しないでよ、もとか」
呼び捨てされた。ちょこっとドキッとしてしまったじゃないか。
遠慮し続ける私に会長は車から降りると、横について肩に腕を回してきた。しなやかな指先だが、力強い。それに至近距離でもイケメンは心臓に悪い。
わなないていると、耳元でそっと囁く。
「さっさと乗らねぇとしばくぞ、コラ」
血が一気にサーッと足元に向かって急降下する。何だか逮捕されて無理矢理パトカーに連行された犯人みたいになってしまった。