Love Slave
「……ごちそうさまでした」
一口、二口入れたところで食事を終了させてしまった。いつもの4分の1も食べていない。なのに、母は何も聞かずに朝食を片付けてくれた。
何だか、悲しくなって涙を誘う。
涙腺が緩くなり、鼻の奥が痺れるのを何とか耐える。
「行ってきます」
力のない声で玄関を出る。これから電車に乗って、バスに乗る。延べ1時間チョイ。当然ラッシュの時間帯。
押しくらまんじゅう状態。寝不足の上に身体中が痛くなる。
これが三年間続くのかと思うと憂鬱だ。
バスを降りた先には、新しい幕開けが待っていた。
「うわぁ……」
いつ見ても驚きの声を上げてしまう。
私立天帝学園高等部。県内一のジャンボ学校。
ここが私の入学先。
白くて綺麗な校舎の先には憧れの高校生活が待っている--。
訳ない。
門をくぐる気にはならなかった。思ってたよりも早く来すぎてしまったため、入学式までまだ時間がある。
(この辺りをぐるっと散歩でもしてくるか)
あまりこの辺に来る機会ないし。時間つぶしと出来るだけ慣れておこうとぐるっと回ることにした。
この道は桜並木になっている。だけど、時期的に散りかけていて、歩道に花びらが溢れていた。すごく残念だ。桜は一番好きな花なのに。
ふと、裏道のような細い道を発見する。昔観たアニメ映画のワンシーンに似ている気がして、ちょっと冒険したくなった。太ってる人は入れないような狭い道。私の身体はスルスルと入った。
その道を抜けると、丘陵が広がっていた。
こんな場所、あったんだ。
視線を向上させると、丘の天辺に大きな桜の木が立っていた。
一口、二口入れたところで食事を終了させてしまった。いつもの4分の1も食べていない。なのに、母は何も聞かずに朝食を片付けてくれた。
何だか、悲しくなって涙を誘う。
涙腺が緩くなり、鼻の奥が痺れるのを何とか耐える。
「行ってきます」
力のない声で玄関を出る。これから電車に乗って、バスに乗る。延べ1時間チョイ。当然ラッシュの時間帯。
押しくらまんじゅう状態。寝不足の上に身体中が痛くなる。
これが三年間続くのかと思うと憂鬱だ。
バスを降りた先には、新しい幕開けが待っていた。
「うわぁ……」
いつ見ても驚きの声を上げてしまう。
私立天帝学園高等部。県内一のジャンボ学校。
ここが私の入学先。
白くて綺麗な校舎の先には憧れの高校生活が待っている--。
訳ない。
門をくぐる気にはならなかった。思ってたよりも早く来すぎてしまったため、入学式までまだ時間がある。
(この辺りをぐるっと散歩でもしてくるか)
あまりこの辺に来る機会ないし。時間つぶしと出来るだけ慣れておこうとぐるっと回ることにした。
この道は桜並木になっている。だけど、時期的に散りかけていて、歩道に花びらが溢れていた。すごく残念だ。桜は一番好きな花なのに。
ふと、裏道のような細い道を発見する。昔観たアニメ映画のワンシーンに似ている気がして、ちょっと冒険したくなった。太ってる人は入れないような狭い道。私の身体はスルスルと入った。
その道を抜けると、丘陵が広がっていた。
こんな場所、あったんだ。
視線を向上させると、丘の天辺に大きな桜の木が立っていた。