Love Slave
聞き慣れたチャイムが鳴り響き、担任が入ってくると同時にクラスメイトが慌ただしく席に着く。


「起立ー」


朝のホームルームが始まる。担任は出席を確認すると、デパートの紙袋から昨日実施したテストの解答用紙を取り出した。
それを見た瞬間、クラス全員ブーイングの嵐。


「出席番号順に取り来い」


どんどん順番が迫ってきて、私は嫌々取りに行く。そーっと覗くように点数を見る。


結果は、総て玉砕。しかも、5教科とも平均点以下だった。


国語46点、数学24点、英語49点、理科38点、社会35点。もちろん、百点満点中。親になんて言おう。
っていうか、入学早々テストなんてひどすぎる。


「あらあら、お粗末な点数ね」


後ろでクスクスとクラスメイトの女3人組に言われた。私はすぐに机の中に隠した。
まるで、シンデレラに出てくる意地悪な継母と義姉2人みたいだ。


「そんな点数の悪さで生徒会が務まる訳?」


「知らないの? 生徒会役員はアンタ以外、進学コースの人間なのよ」


「学年主席の生徒会長を筆頭にね」


「私、こんな頭悪い人が生徒会なんていて、学校の将来が心配だわ~」


嫌味をプラスして、高笑いしながら教室を出て行った。


(分かってるよ……私が頭が悪いってことぐらい……)


一応、春休み中に勉強を頑張ったつもりだった。
だけど、結果は惨敗。


中学の時と同じように。
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