Love Slave
そもそも、私は公立高校を志望していた。


だけど、授業やテストを頑張っても頑張っても良い結果を出せなかった。成績は常に下から数えたほうが早い。
塾に行ったり、通信教育も受けたりしたけど、今思うと時間とお金の無駄だったと思う。


私が住んでる町には公立高校が3校ほどあるけど、レベルが高いのと同じ学校の奴らと被る可能性があるから行けなかった。


そこで、遠出でも自分のレベルに合った学校を志望した。
だけど、「君のレベルに合わない」と担任から却下されてしまった。


その際に勧められたのがこの私立天帝学園高等部だった。親からは、「私立行くんだったら小遣いを減らす」と言われた。
でも、仕方がなかった。


とりあえず、学校見学はしたけど、同じ学校の奴らがいたのとその時体調不調のまま来てしまったせいで、詳しく説明も聞かないまま、さっさと退散してしまった。


だから、一般コースのことしか知らなかった。進学コースがあるということも、生徒会優遇制度というものがあるということも。
面倒臭くって、学校のことを調べていなかった私の責任でもあるけど。


入試も一般コースの校舎で行われたし、同じ中学の子たちも受けに来ていたけど、入学手続きをしたのは私だけだった。みんな併願校として受けに来ただけだったのだ。


中学の奴らが来ないと知って、舞い上がっていた。


しかし、状況が変わってしまった。


(会長……私の頭の悪さ知ってて生徒会に入れたの?)


そう思うと、怒りが立ち込めてくる。エリート集団に劣等生を放り込むなんてもはや非情。


陰気臭いのは元からだけど、私はいつも下を向いている。
直したいとは思ったことあるけど、もう癖になってて、自然と首が垂れてしまう。


「やっぱ、あの子気持ち悪くない?」


「暗いよね~。近寄りたくない」


陰の声は高校でも同じ。なのに、私はこの学園の天下を取る生徒会役員。
訳が分からない。
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