Love Slave
服を脱げってことは……。
私の聴力が正しければ、彼はとんでもない性的発言を口にした。


(とうとう本性現したなこの男!!)


「ほら、聞こえなかったのか? もう2回も言ったぞ」


これは意地悪をするときの笑みだ。口角が上を向き、良からぬ企みを模索している証拠。


「何でですか。セクハラ、ド変態!」


「そんな格好で出歩く気か? ジャージ登校する気か?」


罵詈雑言を吐いたつもりだが、あっさりスルーされて黙り込んでしまう。そんなこと言われたら何も言い返せないじゃないか。
すると、会長はまたメガネを取り上げた。


「か、返して!!」


「『何かあったら言え』、『警戒を怠るな』。従わなかった罰だ」


私は生徒会に、いじめに遭っていることを報告しなかった。報告してどうするつもりだ、私のために動いてくれるのか? 悩みを解決してくれるのか?


しかし、私の心配をよそに会長は自信満々で応えた。


「生徒会はこの学園の最高権力者だ。絶対的存在で、誰も逆らうことはできない」


それが生徒会優遇制度の第一条。とんでもない校則。
会長は裸眼で見える距離、つまり瞳が目の前になるまで顔を近づけてきた。


「そんな腫れあがった眼なんて見たかねぇんだよ」

「……っ」


私はそんなに泣いたのか? 自分では分からないが、相当充血してるらしい。
会長は髪をガリガリ掻き始めた。そして、痺れを切らしたように叫んだ。


「じれったいな。もう強行突破だ、脱がすぞ!!」


「えっ、ちょっと……いやああああああああああ!!」


胸ぐらを掴まれて、そのまま別の部屋に連れて行かれる。

ファーストキスに続き、初体験まで無理矢理奪われるのか。
ああ、お父さんお母さんごめんなさい。


あなた達の愛娘は生徒会に入ったことで穢れていきます。
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