Love Slave
「何なのさ、あの演説は。全然スピーチにもなってないし、しかも初盤から緊張して倒れてるしさ! それでいて大和様に助けられてるし。なのに、何でこんな奴が生徒会役員なの!? ふざけんじゃないよ!!」
「近江さん、私……」
「ちゃんとスピーチ出来ればよかった、アンタがスピーチしなければよかった……。ただ、執行部のそばにいられればよかった……」
罪悪感が渦を巻く。首を振って、何とか否定する。
「近江さんの気持ちを潰したわけじゃ……」
「うるさい、アンタの話なんて聞きたくもない!! そんな綺麗な格好して、勝ったつもり!?」
「私はそういうつもりじゃ」
「言い訳なんて聞きたくない。許さない、絶対にっ」
鬼の形相をしながら腕を私目がけて振り下ろす。
反射的に両目をぎゅっと瞑る。頬に打撃は走るーーーが、何ともない。
「………?」
恐る恐る目を開けると、椚先輩が手首を掴み取っていた。抵抗するが、かなりの力らしく振りほどけないらしい。
「……アンタがやってることはただの逆恨みだ。くだらねぇ」
冷静沈着な口調で述べているが、激情が籠っている。
近江さんも歯が立たないらしく、蛇に睨まれた蛙状態。
「……ね、ズラかろうか」
「そうだね」
働かされた3人組はプイッと背を向け、この場を逃げようとする。
しかし、副会長と等々力先輩に行く手を阻まれた。
「おーっと待った! 仔猫ちゃん達も共犯なんだから、罪は重いよ~。女の嫉妬って度が過ぎると怖いよね。犯罪だろうと何だろうと、平気で手ぇ出しちゃうし」
「今日、貴女方が悪戯した教科書や机は僕らが用意した偽物です。それから、この超小型ビデオで撮影させていただきました。3人とも進学を目指してるようですが、これを公開したら推薦は危ういでしょう」
ぞーっと背筋が凍りつく。普段カッコ可愛いと言われる二人が悪魔のように見えた。
「ご、ごめんなさーい!! もう、二度としません!!」
近江さんを置いて、一目散で逃げた。彼女は顔を歪め、激しく舌を打つ。
「アイツら……」
結果的に生徒会に囲まれてしまい、逃げ場を失う。
会長は呆れたように肩を竦める。
「もう君の手先はいないよ。ファンだったら分かるよね、生徒会に逆らったりしたらどうなるかって」
「退学にさせられるか。ははっ、イケメンはやること違うね」
元はファンだったが、嫉妬心が勝って可愛さ余って憎さ百倍。いつの間にか、近江さんの標的は私になっていたのだ。
心の奥底では未練でいっぱいだった。ずっと憧れていた生徒会、そしてずっと片想いし続けてきた……。
「念のため聞くけど、会長にとって早乙女もとかは何なの?」
「はい?」
「近江さん、私……」
「ちゃんとスピーチ出来ればよかった、アンタがスピーチしなければよかった……。ただ、執行部のそばにいられればよかった……」
罪悪感が渦を巻く。首を振って、何とか否定する。
「近江さんの気持ちを潰したわけじゃ……」
「うるさい、アンタの話なんて聞きたくもない!! そんな綺麗な格好して、勝ったつもり!?」
「私はそういうつもりじゃ」
「言い訳なんて聞きたくない。許さない、絶対にっ」
鬼の形相をしながら腕を私目がけて振り下ろす。
反射的に両目をぎゅっと瞑る。頬に打撃は走るーーーが、何ともない。
「………?」
恐る恐る目を開けると、椚先輩が手首を掴み取っていた。抵抗するが、かなりの力らしく振りほどけないらしい。
「……アンタがやってることはただの逆恨みだ。くだらねぇ」
冷静沈着な口調で述べているが、激情が籠っている。
近江さんも歯が立たないらしく、蛇に睨まれた蛙状態。
「……ね、ズラかろうか」
「そうだね」
働かされた3人組はプイッと背を向け、この場を逃げようとする。
しかし、副会長と等々力先輩に行く手を阻まれた。
「おーっと待った! 仔猫ちゃん達も共犯なんだから、罪は重いよ~。女の嫉妬って度が過ぎると怖いよね。犯罪だろうと何だろうと、平気で手ぇ出しちゃうし」
「今日、貴女方が悪戯した教科書や机は僕らが用意した偽物です。それから、この超小型ビデオで撮影させていただきました。3人とも進学を目指してるようですが、これを公開したら推薦は危ういでしょう」
ぞーっと背筋が凍りつく。普段カッコ可愛いと言われる二人が悪魔のように見えた。
「ご、ごめんなさーい!! もう、二度としません!!」
近江さんを置いて、一目散で逃げた。彼女は顔を歪め、激しく舌を打つ。
「アイツら……」
結果的に生徒会に囲まれてしまい、逃げ場を失う。
会長は呆れたように肩を竦める。
「もう君の手先はいないよ。ファンだったら分かるよね、生徒会に逆らったりしたらどうなるかって」
「退学にさせられるか。ははっ、イケメンはやること違うね」
元はファンだったが、嫉妬心が勝って可愛さ余って憎さ百倍。いつの間にか、近江さんの標的は私になっていたのだ。
心の奥底では未練でいっぱいだった。ずっと憧れていた生徒会、そしてずっと片想いし続けてきた……。
「念のため聞くけど、会長にとって早乙女もとかは何なの?」
「はい?」