Love Slave
「アンタに聞いてない、関係よ、カ・ン・ケ・イ!」


「あ~、それ僕も知りたい」


副会長が手を上げた。他の2人は無関心。
近江さんが生徒会軍団に囲まれている状態なのに、なぜが矛先は私に向けられる。


(何なのさ、もう! 新手のイジメ!?)


まさか、会長の奴隷になってるなんて言えないじゃない……。
これだけでも屈辱的だ。


「コイツとの関係か?」


グイッと肩を寄せられた。
そして、私の頭を小動物扱いするように、ぐりぐりと搔き回す。


「俺の可愛いペットだ」


沈黙が下り、カラスが馬鹿にしたようにカーカー鳴いている。
放心した私はごくりとその意味を飲み込む。


ペットォォォォォォォォォォォォ!!!??


「なるほどね」


何故か生徒会役員は腕組みしながら納得していた。
なるほどじゃないっ、私=ペットで納得してるわけ!?


会長も会長でふふん、自慢気だった。近江さんは鼻でハッと笑っていた。


「それ、何のギャグ?」


ドゴォッ!!


すごい轟音が響く。私自身も驚いて振り返ると、会長はコンクリートで出来た校舎の壁を素手でパンチした。
その顔は痛がるどころか、不敵な笑みを浮かべている。

いつも見せる甘いマスクの笑顔ではない。


私が知ってる、ドSな会長。


「……金輪際、俺の可愛いペットを傷つけさせたりしたら退学じゃ済まされない」


呆気にとられた近江さんににっこりと笑顔を見せる。他のメンバーには見えない。
私は何となく、予想は出来ていた。


一瞬で凍りつくようなブリザードがあの二人の間に起きていると。


「お前の命はないと思え」

決して大きな声で言ったわけじゃない。
けど、その破壊力は抜群。


近江さんは顔面蒼白し、その場でしゃがみこんでしまった。さすがにこれには迫力負けしたらしい。
何と言っても会長の眼力は歌舞伎役者並みだ。
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