Love Slave
逆光で見えにくいが、テディベアのストラップをつけたピンクの携帯電話を取り出していた。


間違いない、私のだ!!


「そ、それ!!私が落としたんです。やっぱりあの時に落としちゃったんですね」


私は会長の机の前に立つ。そして、一礼をする。


「ありがとうございます!助かりました!!」


私が手を出した時、


ひょいっと携帯電話を上に上げてかわされた。まるで、計画的みたいに。


「・・・・・?あの・・・返してください」


「君さ、この学園のルールも知らないで入学したの?」


「学園のルール・・・・?」


校則みたいなものか?でも、私がいつ破ったというのだ。



太陽が雲に隠れて、会長の顔がくっきりと見える。見れば見るほど色男。


でも、顔は微笑んでいるのに目が笑っていない。


「この生徒会棟はね、特別な許可が下りない限りは一般生徒も教師も立ち入り禁止なんだよ。生徒会役員と関係者以外はね」


「ええっ!?だって関係者以外立ち入り禁止なんてどこにも書いてなかったし、それに入学式のとき、会長は生徒会室までって・・・・」


「それは生徒会とコンタクト取れる者に頼むんだよ。校門の前に妙な人たちがいるの気付かなかった?」


そういえば、あの時は急いでたから気になんなかったけど校門の前に何人かの人たちが立ってたような・・・・。その時は先生かと思ってたけど。


「そいつらは俺達生徒会役員の執事だ。生徒会に用がある場合は執事に頼むんだよ」


嫌な予感が的中してしまった。だから誰ともすれ違わなかったのか。

っていうか、執事ってコイツ金持ちか!?そんなの漫画だけの世界だと思ってたんだけど。何で学校はこういう間違いがないよう看板とか注意書きの貼り紙とか対処しないわけ!?


「この学園のルール、全国的に知れ渡ってるんだけど?」


見透かされてる。超能力者か。この学園は私立だけど、特別お金持ち学校というわけではない。私みたいな一般市民も通える普通の学校だと中学の説明会で聞いていた。


なのに・・・・何なの、これは!?


「どうしても返してほしい?」
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