ボクがキミをスキな理由【短編集】


「ね、目を覚ましてよ沙良。
沙良ならもっとハイレベルな男の子でもゲットできるよ??」


「そーよ!!!!!
今すぐ成宮なんかとは手を切るのよ!!!!!」


二人が私の肩をガッチリ抱いて、ユサユサと私の体を揺さぶった時、休み時間中の教室の扉がガラリと空いて。

扉の奥にはここにはいるはずのない。気まずそうな…、ううん。酷く傷ついた顔をした成宮くんが、申し訳なさそうに私を見つめていた。




「…ゴメン…。」




成宮くんは、そう一言呟くと。教室には入らずに、廊下の向こうへ駆け出して行ってしまった。



「…待って!!成宮くん!!!」




違う!
違うよ、成宮くん!!!!

絶対…、今のは誤解された。

早く誤解をとかなきゃ!!




焦る気持ちを押さえながら、彼を追いかけようと席を立つと


「ダメ!!
同情なら行くのは辞めな!!」


私は葉月に思いっきり腕を掴まれた。

< 114 / 461 >

この作品をシェア

pagetop