ボクがキミをスキな理由【短編集】
「ね、目を覚ましてよ沙良。
沙良ならもっとハイレベルな男の子でもゲットできるよ??」
「そーよ!!!!!
今すぐ成宮なんかとは手を切るのよ!!!!!」
二人が私の肩をガッチリ抱いて、ユサユサと私の体を揺さぶった時、休み時間中の教室の扉がガラリと空いて。
扉の奥にはここにはいるはずのない。気まずそうな…、ううん。酷く傷ついた顔をした成宮くんが、申し訳なさそうに私を見つめていた。
「…ゴメン…。」
成宮くんは、そう一言呟くと。教室には入らずに、廊下の向こうへ駆け出して行ってしまった。
「…待って!!成宮くん!!!」
違う!
違うよ、成宮くん!!!!
絶対…、今のは誤解された。
早く誤解をとかなきゃ!!
焦る気持ちを押さえながら、彼を追いかけようと席を立つと
「ダメ!!
同情なら行くのは辞めな!!」
私は葉月に思いっきり腕を掴まれた。