ボクがキミをスキな理由【短編集】
「成宮くん…、私……!!」
そう言って彼に近づこうとすると
「星野さん…、なんで来たの?」
見たこともない冷たく無表情な顔をして、成宮くんは私の顔をじっと見つめた。
「なんで来たの?
俺なんかといたらみんなに笑われるんじゃない?」
「…え…???」
いつも見ている優しく穏やかな彼とは180度違う、この声色に私の足が思わず止まる。
なに…言ってるの…??
成宮くんの言っている意味がよくわからなくて。彼の表情が怖くって。オドオドした目で彼を見つめていると
「…ごめん、俺調子に乗ってた。」
そう言って
成宮くんは寂しそうにフッと笑った。