ボクがキミをスキな理由【短編集】
「レイさん、今は仕事中だから。後でちゃんと会いに行くから。
今は勘弁して。」
カノジョをどうあしらったらいいのかわからずに、フイッとそっぽを向いて倉庫に足を向けると
「…亮ちゃん……。」
レイさんはひどく傷ついた顔をして俺を見つめる。
あ………。
傷つけてしまったと後悔した時にはもう遅い。
カノジョは少し涙目になると
「ごめん…なさい。あたし…帰るね。バイト終わったら電話して…??」
ニッコリと力なくカノジョが微笑む。
「あ……」
そういうつもりじゃ…
言い訳をしようと手を伸ばすと
「レイちゃん!!
それならウチで待てばいいよ。中に入んな!!」
店の奥で俺たちの様子を伺ってた母ちゃんが、笑いながらレイさんに声をかける。