ボクがキミをスキな理由【短編集】
「え…、でも……。」
レイさんは怯えたように俺の顔色を伺う。
経験値の高い男ならレイさんを安心させる言葉を言ってやることができるんだろう。
だけど…
レイさんが初カノ。
恋愛経験値ゼロの俺がそんな気のきいた言葉をかけられるハズもなく。
「どっちでもいいよ。
レイさんのしたいようにすれば??」
プイッとそっぽを向きながら愛想もクソもない言葉をレイさんに吐くと、レイさんはシュンと小さくなってしまった。
あ……。
クソッ、またやっちまった……。
「あ…、あの……」
レイさんにあやまろうと手を伸ばすと
「い、いてぇー!!」
「このバカムスコ!!!!レイちゃんに向かってなんてこと言ってんだい!!!!!」
「か、母ちゃん!?」
俺はオフクロに思いっきり後頭部をどつかれた。