ボクがキミをスキな理由【短編集】
「レイちゃんはアンタみたいな、な~んの取り柄もない男を好きだって言ってくれてんだよ?!勉強出来ない。顔もイマイチ。体力だけが自慢のアンタをこんなに思ってくれるレイちゃんに……なんてこと言うんだい!!」
「いってぇ~っ!!!!」
殴られた頭を擦りながら、恨めしそうな瞳を向けて母ちゃんを睨み付けると
「亮介!!ちゃんとレイちゃんに言いな。待ってて下さいって言いな?」
母ちゃんはズズイっと俺の前にレイさんを連れてきた。
「…うっ……!!」
俺の目の前には困った顔して俺を見つめるレイさんの整いすぎたキレイな顔。
「さあ、言うのかい?
言わないのかい!?」
鬼のような形相の母ちゃんに睨まれ、天使のように可愛いレイさんに見つめられ
「…~っ!!!!!」
どこにも逃げ場のなくなってしまった俺は
「わかったよ!!!わかったからっ!!!!」
耳まで真っ赤にして、恥ずかしさ最高MAXになりながら、必死に叫んだ。
「レイさん、俺がバイト終わるまで待ってて下さいっ!!!!」