ボクがキミをスキな理由【短編集】
くそう!!
母ちゃん絶対、意味わかって笑ってるだろ!!
俺が困ってんの見て楽しんでんだろ!!
最っ悪だ。
真っ赤になってる自分を見られたくなくて。
いっぱいいっぱいになってる、こんなカッコ悪い自分を見せたくなくて。
「どいつもこいつもうるせぇな!!
いいからさっさと中に行けよ!!!!!」
何の罪もないレイさんに冷たく言い放つと
「ご、ごめん!!はしゃぎすぎちゃったね。
リビングでおばあちゃん達と待ってるね。」
レイさんは申し訳なさそうな顔をしながら、店の奥の居住スペースへと足を進めていく。
そんなレイさんを見送りながら…、俺は大きなため息を吐く。
わかんねぇ。
付き合うって難しい。
レイさんを喜ばせたい気持ちより、恥ずかしい気持ちの方が大きい。