ボクがキミをスキな理由【短編集】
ドガッ。
チャラ男の体が思いっきり吹っ飛んで、私の体がフワリと宙に浮く。
「ったく。
こんな汚いやり方でオンナ潰して連れ込んでんじゃねーよ!!」
個室の前にいたのは…
少しあどけない顔をした男の子。
あたしは彼の手によって、米俵のように横抱きにされて肩に担がれていた。
「な、なんだよテメェ!!」
逆上したチャラ男が男の子に向かってこようとすると、
「しつけぇんだ…よっ!!!!」
「…ぐぇっ……。」
男の子は思いっきりチャラ男のミゾオチを蹴りあげる。そして痛みと苦しさに、のたうちまわるチャラ男に向かって
「ったく。オンナを潰す為にウチの酒を使うんじゃねーよ。」
男の子は何かをブツブツ呟いて、私を抱き抱えたまま男子トイレを後にした。