ボクがキミをスキな理由【短編集】



遊び人っぽい人は何かをブツブツ言いながら、舐め回すように私を見る。






「ったく。そういう問題じゃねーだろ?
自分のハコでレイプ未遂が起きたんだ。もっと危機感持てよ、晃(コウ)兄ちゃん!!」




彼は“晃兄ちゃん”と呼ばれたいい加減な大人を呆れたように怒る。



晃兄ちゃんは“わかってる、わかってるってば”と言いながら彼をなだめる。






「このまま帰ろうかと思ってたけど…、なんか晃兄ちゃんの様子みてたら心配になったわ。」


「はあ~?」


「俺、この人が目ぇ覚ますまでココで待ってる。」





そう言って。
彼は私の寝ているソファーの前にあったイスにどっかりと座る。



そんな彼を見て遊び人な感じの晃兄ちゃんは




「ま~、亮介がいいならいいけどさぁ。」




と、近くにあったタバコに火をつけた。






< 154 / 461 >

この作品をシェア

pagetop