ボクがキミをスキな理由【短編集】
遊び人っぽい人は何かをブツブツ言いながら、舐め回すように私を見る。
「ったく。そういう問題じゃねーだろ?
自分のハコでレイプ未遂が起きたんだ。もっと危機感持てよ、晃(コウ)兄ちゃん!!」
彼は“晃兄ちゃん”と呼ばれたいい加減な大人を呆れたように怒る。
晃兄ちゃんは“わかってる、わかってるってば”と言いながら彼をなだめる。
「このまま帰ろうかと思ってたけど…、なんか晃兄ちゃんの様子みてたら心配になったわ。」
「はあ~?」
「俺、この人が目ぇ覚ますまでココで待ってる。」
そう言って。
彼は私の寝ているソファーの前にあったイスにどっかりと座る。
そんな彼を見て遊び人な感じの晃兄ちゃんは
「ま~、亮介がいいならいいけどさぁ。」
と、近くにあったタバコに火をつけた。