ボクがキミをスキな理由【短編集】
・いい加減な彼女の精算
【side 亮介】
レイさんと腕を組んで街を歩いていたとき。
「あっれー!?レイじゃーん。」
なんだか軽そうな
だけどワイルドなイケメンがレイさんに声をかけてきた。
「あ、ノブ。」
「久しぶり。そのちっこいのはカレシ??」
ノブと呼ばれたその男は、馴れ馴れしそうにレイさんに近づき俺の顔を見てフッと馬鹿にしたように笑う。
――なんだ、コイツ。感じ悪ぃな。
ノブの第一印象はすこぶる最悪。
なんだかスマートな服の着こなしに
女が放っておかないような、整った顔立ち。
そのくせ、俺を馬鹿にしたように笑う、このさげずんだ目。
初対面にもかかわらず、俺はこの男の全てが気に食わなかった。
「うん、彼は私のカレシだよ。」
そんな俺の空気にはまったく気づかず
そう言って俺の腕にギュッとカラダを寄せるレイさん。
そんなレイさんの言葉にノブは一瞬ギョっとした顔をしたけれど、
「へーぇ。男の趣味変わったのな~、レイ。」
そう言ってアハハと笑う。