ボクがキミをスキな理由【短編集】
そう言って
ノブは俺の掴んでいた手を強引に引っ剥がす。
「ウソだ…!!そんなのウソだろ!?レイさん!!」
俺の知ってるレイさんは
ちょっぴり軽く見えるけど
本当はピュアでかわいい、女の子。
強引だけど優しくて
強気なくせに傷つきやすくて
もろくて繊細な女の子。
ちょっと考えなしなトコロはあるけど…
そんなバカなオンナなんかじゃない。
そう信じて。
「違うってはっきり言えよ!!
レイさん、レイさんはそんなオンナじゃないだろ!!?」
すがるような目で彼女を見ると、
レイさんはフルフルと体を震わせながら両手をギュっと握りしめてた。
――なんでだよ!!!
なんで何にもいわねぇんだよ!!
「レイさん!!!何とか言えよ!!!!!」
イラついた俺がグワッと怒鳴ると
「あーらら。ボーヤは知らないんだー。
じゃぁ尚更言えねぇよなぁ、レイ。」
勝ち誇ったかのようにノブが笑う。