ボクがキミをスキな理由【短編集】
怯えた子犬のような目をして
俺を見つめるレイさん
そんなレイさんの顔を見ても
沸いてくるのは
苦しい嫉妬と
どうにもならない怒りだけ。
愛情や
いたわり
とはまったく別の
負の感情しか生まれてこない
小せぇよ?
小せぇ男なのは100も承知だよ
でも俺は許せない
レイさんのカラダを知ってる男も
そんな男にカラダを許したレイさんも
どっちも俺は許せない
だから…
レイさんのカラダをやんわりと離すと
「ごめん、
今日は帰る。」
「え…??」
「なんか、そういう気分じゃなくなった」
冷たく聞こえるかもしれないけれど
表に吹き出しそうになる
怒りを必死にこらえて
精一杯の理性を保って
俺はその言葉を口にした。