ボクがキミをスキな理由【短編集】



怯えた子犬のような目をして
俺を見つめるレイさん


そんなレイさんの顔を見ても
沸いてくるのは
苦しい嫉妬と
どうにもならない怒りだけ。





愛情や
いたわり
とはまったく別の
負の感情しか生まれてこない





小せぇよ?
小せぇ男なのは100も承知だよ





でも俺は許せない


レイさんのカラダを知ってる男も
そんな男にカラダを許したレイさんも


どっちも俺は許せない






だから…
レイさんのカラダをやんわりと離すと




「ごめん、
今日は帰る。」


「え…??」


「なんか、そういう気分じゃなくなった」



冷たく聞こえるかもしれないけれど
表に吹き出しそうになる
怒りを必死にこらえて
精一杯の理性を保って
俺はその言葉を口にした。



< 199 / 461 >

この作品をシェア

pagetop