ボクがキミをスキな理由【短編集】
結果は…
こうなっちゃったけどね。
『ばいばい、レイさん。』
亮ちゃんが最後に言った言葉が
今も忘れられない。
あの決意したような
淋しそうな
まっすぐな瞳
アレを見た瞬間、ピンときた。
――あぁ…、あたし捨てられるんだな
って
きっと亮ちゃんは許せなかったんだ
あたしのコト
こんなに汚いあたしだもん
許せるわけないよね
愛しく思えるワケないよね…??
誰に抱かれたのかなんて覚えてない
誰とキスしたのかなんて
もっと覚えていない
顔も覚えていないほど
いろんなオトコを知っている
あたしのカラダ
でも…ね??
あたし、亮ちゃんのほっぺのキスが
忘れられないんだよ。
あんなにドキドキしたキス
あたしは知らない
胸がキュウンってなって
苦しくて
幸せで泣いちゃうような
あんなキス
あたしは知らなかった
知らなかったんだよ、亮ちゃん……。