ボクがキミをスキな理由【短編集】
バーカウンターで殴られた俺は
そのパンチの重みに耐え切れず
背にあった食器棚にヨロヨロと
体重を預けてしまう。
はぁ!?
何で殴られた!?
何で俺が殴られなきゃなんねーんだよ!!
納得のいかない俺が
「いってぇ…
何しやがる!!!!」
痛む頬を押さえながら
ギロリと睨むと
「悲劇のヒロインぶって
勘違いしてるボーヤを見てると
ムカっ腹がたつんでね。」
そう言って、晃兄ちゃんは
俺の胸ぐらをグッと掴んで
俺に思いっきりガンをつける。
「あのな。
あのコを捨てる勇気もないクセに
イイオトコぶって、諦めたフリすんな。」
くわえタバコのまんま
俺に物申す晃兄ちゃんはドスが効いてて
まさにヤ○ザ
そんな兄ちゃんに正直ビビリながらも
「はぁ!?意味わかんねーこと
いうんじゃねーよ!!」
精一杯反論すると
「物分りの悪いボーヤには
オシオキが必要だな。」
そう言って
晃兄ちゃんはパシンと俺の頬を
ビンタした。