ボクがキミをスキな理由【短編集】


「いってっぇぇぇ~!!
何すんだよ!!!」



何でビンタ!?
何で俺がビンタされなきゃナンねーんだよ!!




心底ムカついた俺が
仕返ししようと手を上げると




「俺を殴ろうだなんて
10年早いんだよ!!」



そう言って
晃兄ちゃんは俺の脳天に向かって
思いっきりグーパンチをお見舞いした。






衝撃のあまりに目の前がチカチカして
不覚にも元気な意識と
サヨナラしそうになっていると





「亮介、オマエは過去のカノジョを
許せないんじゃない。
彼女の知ってるその他大勢の男と
自分を比べられるのがイヤだった
だけだろう??」





--え……??





さっき食らった
パンチよりも
ビンタよりも
鋭い痛みを伴う言葉




「ただヒヨっただけだろ?
カノジョが自分より経験値が高くて
自分の知らない世界を知ってるって事実に
怖気づいて、尻尾巻いて、
オマエはあの子から逃げたんだ。」




そう言って晃兄ちゃんは
“なんでもお見通しだ”
と言わんばかりに微笑んだ。



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