ボクがキミをスキな理由【短編集】
“やっとわかった??”
と言わんばかりにニンマリ微笑む
晃兄ちゃん
「なんだよ。」
居心地の悪い
その表情に
ムスッとしながら答えると
「別に~??
デキの悪い弟を持つと
お兄ちゃんは大変だなーと思ってさ。」
晃兄ちゃんはしてやったりとでも
言うように、ニッコリと微笑む。
頭をナデナデしながら
まるで懐かないネコを
手なずけたかのような
満足げな表情で
「ま、不器用なりに頑張れよ。
オマエは童貞のチェリーボーイで
目立たない、フツーのオトコだけどな。
あの子はそんなオマエがスキなんだ。
そんな自分に自信を持て。」
そう言って
晃兄ちゃんは俺の頭をぺシンと
叩いた。