ボクがキミをスキな理由【短編集】
「失敗を恐れるなんて10年早い!!」
そう言って
晃兄ちゃんは俺の頭をグシャグシャと
掻きはじめる。
「バッ…!!やめろ!!
髪のセットが崩れるだろーが!!」
この頭にするために
どんだけ俺が時間かけてると
思ってんだよー!!!!
子ども扱いする晃兄ちゃんの手を
パシンと払うと
「その髪だって最初は上手くセットできなかっただろ?」
晃兄ちゃんはそう言ってフフンと笑う。
「はぁ…??」
「人間、1発目から上手くいく物事なんてないんだよ。」
「???」
「失敗は成功のモト
だけどな?
失敗を恐れて挑戦しないことは、後悔のモトにしかならないぞ?」
深すぎて理解不能な
晃兄ちゃんの言葉
いまいちピンとこない
晃兄ちゃんの言葉に
首をひねると
「初めての恋も初めてのSEXも失敗して当たり前。
かっこ悪くてもダサくてもいいじゃないか。
ココで失敗してもきっとお前は後悔しない。
でも、ここで中途半端に恋を捨てると、
後々まで後悔するぞ??」
晃兄ちゃんはニッコリ笑って
こう続けた。
「どうする?亮介。
やるだけやって後悔するか?
それとも何もせずにココから逃げるか?」
「……」
「どっちでもいいさ。選ぶのはお前だからな。
ただ…後に後悔だけの残る恋は後味が悪いぞ?」
その笑顔を見て
俺の覚悟はヨシと決まった。