ボクがキミをスキな理由【短編集】
「もう迷うのはヤメだ。
俺はレイさんの全部をもらう。」
そう言ってニイっと笑って
晃兄ちゃんの背中をドンと叩くと
「頑張れ、オトコノコ!!」
そう言って
晃兄ちゃんはニッコリ笑った。
待ってろ、レイさん
俺は今からアンタの全部を
貰いに行く
もうアンタは俺のコトなんて
どうでもよくなってるかもしんねぇけど…
後悔だけはしたくねぇ
そんな生き方
絶対イヤだ。
粉々に砕け散っても
もういいや
俺は俺の全部で
レイさんにぶつかってみよう
初心者は初心者なりに
一生懸命に
俺はこの恋にぶつかってみよう。
クラブ【red zone】を出ると
夕闇の空が俺の視界を暗くさえぎる
俺は少し肌寒い
その空気を感じながら
レイさんの待つ
あの場所へと向かっていった……