ボクがキミをスキな理由【短編集】
「レイさん……」
その言葉を聞いた瞬間
あたしは彼の左手をグイっと
引っ張って、
無理やりに玄関の中へと
おびき寄せた。
「うわっ、わっ!!!」
バターーーーーン!!
支えをなくして勢いよく閉まるドアに
あたしに向かって倒れこむ亮ちゃん
「わっ!ゴメン!
レイさん!!」
まるであたしを押し倒して
いるかのような体勢に
顔を真っ赤にして
恥ずかしがってる、亮ちゃん
――ふふっ、カワイイ
焦って起き上がろうとする
亮ちゃんの首にグルリと腕を回すと
「ねぇ、味見しないの??」
悪魔な声で
彼の耳にそう囁く