ボクがキミをスキな理由【短編集】
・左耳の小さなホクロ
ある日の放課後
私は弥生と葉月と一緒に
繁華街にあるファーストフード店に来ていた。
「ねぇ、沙良(サラ)。
成宮とはどうなの?
うまくいってんの?」
ポテトをつまみながら
訊ねる弥生に
「うん。成宮君優しいし、
大事にしてもらってる…と思う。」
コクンと頷くと
「はぁ……
まだロッドバルトの呪いはとけないのね…」
と、弥生はガックリと肩を落とす。
“ロッドバルトの呪い”の意味がわからなくて
「なに?呪いって。」
と訊ねると
「白鳥の湖の悪者の名前よ。」
そう言って葉月はクスクス笑う。