ボクがキミをスキな理由【短編集】
「もうっ!弥生っ!!
真剣に怒るよ!?」
ギロッと軽く弥生を睨むと
「うーーん……
でも確かにKiriの言ってる女性と
沙良はかぶるわねぇ……。」
ペラペラと退屈そうに
雑誌のページをめくりながら
ボソッと葉月が呟く。
「ちょっと、葉月まで何言い出すの?」
葉月は私の味方だと思ってたのに~!!
なんだか切なくなりながら
すがるようなキモチで
葉月の腕をギュっと握ると
「ま、当てはまるってダケよ?
もちろんKiriとアンタが知り合いだなんて思えないから、あくまでも“たられば論”だけど……。私は弥生の言ってること、もっともだと思う。」
そう言って葉月はニッコリと私に微笑む。
そして私の瞳を
優しい眼差しで見つめると
「怒らないでね、沙良。
アンタは私と弥生にとって自慢のトモダチなの。
可愛くて、優しくて、思いやりがあって、頭もいいアンタを心の底から愛してんのよ。」
そう言ってフッと笑う。