ボクがキミをスキな理由【短編集】
後ろ姿のKiriにうっすら映る
左耳の小さなホクロ
『ま…理由は聞かないで欲しいんだけど、ホクロのコトは誰にも言わないで。』
あの夕焼け空に染まる、
いつかの帰り道
そう言って。
困ったように頭をポリポリと掻く成宮君を私は突然思い出す。
――まさか…ね??
偶然…だよ。
耳のホクロなんて珍しいものじゃない
きっとコレは
他人の空似
私の成宮君がKiriと同じ場所に
ホクロがあったって、変じゃない。
だって……
ありえないよね??
Kiriと成宮君が
同一人物だなんて。