ボクがキミをスキな理由【短編集】
ある日の夜
自宅のリビングでくつろいでいると電話の着信音が、けたたたましく鳴り響いて。
母親が電話を取ると
「沙良~!!電話よ~!!」
と言って、私を呼びつけた。
「えぇ~、誰??」
「何かよくわかんないけど、男の人。
潮見さんって方。」
潮見??
学校のお友達に
そんな名前の人は
いないはずだけど…
思い当たりのない名前に
首をかしげながら
受話器を取ると
「あ!もしもし、沙良ちゃん??」
耳に響いてきたのは
なんだかどこかで聞き覚えのある声。
んん??
だれだろう…??
それでもその声の人物がわからずに首をひねっていると
「突然ゴメンね。
俺、シックスティーンの編集者の潮見です。」
「あぁ~~~っ!!」
「ハハっ。
その様子じゃ“今、思い出した”って感じだね。」
この不審な人物は
自ら正体をあらわにした。