ボクがキミをスキな理由【短編集】
迷惑にも
大胆不敵に
そして自信満々に
言葉を紡ぐ潮見さん
「君はこんな強引な俺にも気遣いを忘れない優しいコだ。」
「…??」
「ほら、さっき言っただろう?“この企画が失敗したら俺に迷惑がかかるから”って。」
「あ……」
「普通はね?
そんな気遣い出来ないよ。
だから、俺はその言葉に確信した。
俺の目に狂いはない。絶対だ。」
仕事人…っていうのかな。
なんだか仕事にかける情熱みたいなものに気圧されて、なんだか声の詰まってきた私。
ちゃらんぽらんだと思っていた潮見さんの情熱に触れて、真剣さに触れるたび、私の心の奥で何かが叫ぶ。
「頼む、沙良ちゃん。
この仕事は君にしか頼めない…!!」
一生懸命
何かを生み出そうと
誠心誠意生きてる人に
私は弱い
イヤだと思っていても
その人の必死さに触れてしまうと
どうしても見捨てられない
なぜか
力になりたいと思ってしまう
これは…
私の悪いクセだ。
ソレを知ってか知らずか
潮見さんは熱い声で
私に語りかけてくる。