ボクがキミをスキな理由【短編集】
上から下まで舐めるように
見つめると
「まさにKiriの
どストライクじゃないですか!
このコ!!」
そう言って
潮見さんの背中をバンバン叩く。
「だっろ~??
性格も芯が強くって
イイオンナなんだぞ??」
それに答えるように
潮見さんも負けじと
その人の背中を
バンバカ叩く。
――な、何なんだろう…
異様にテンションの高いお二人に
半ば唖然としながら
成り行きを見守っていると
「ゴメンねぇ、うるさくて。」
そう言って
スタッフの紅一点
1人のオネエ様が
私の近くでフフっと
微笑む。
「この業界の人って
ちょっとテンション高いから。」
「あ…はい。」
おねえさんの言葉に素直にウンと頷くと
「ふふっ。ホントにかわいい。
アキラさんの言ったとおりね。」
そう言って
お姉さんは私の髪をゆるゆると
撫でる。