ボクがキミをスキな理由【短編集】
「え…??」
意味がわからずに
首をかしげると
「私達はね?
この企画が決まってからずっとあなたみたいな女の子を捜していたの。」
そう言って
お姉さんはニッコリ微笑む。
「Kiriはちょっとこの業界の女の子を毛嫌いしてるところがあるからね…。彼の素顔を引き出すには既存のモデルじゃダメだよね…ってずっと話していたのよ。」
へぇ……
Kiriさんって容姿も派手だし、雑誌にはいつもキレイな女の人と写ってたからてっきりそういう人が好きなんだと思ってたけど…
意外とそうじゃなかったんだぁ……
ひょんなところで知った業界ネタにフンフンと頷き続けていると
「そんな時現れたのが、沙良ちゃんってワケっ!!」
「うひゃあっ!!」
そう言って
潮見さんは後ろから私の両肩をポンっと叩く。
「オレは一目見たときに確信したね。
このコはオレに舞い降りてきた1人の天使だと!!」
「え、えぇっ!!?」
「だーってさ??
前に聞いたKiriの好みのタイプにドンピシャなんだもーん!!」
潮見さんはそう言って
フフーンと鼻を鳴らして
フロアーをクルクルと
回りだす。