ボクがキミをスキな理由【短編集】


いい年なのに
コドモのような潮見さんは
シュタっと止まると



「ぜーったい今日はいい日になるぞ!!
新しいKiriの表情を引き出す
魅力的な一日に!!!」




そう、キッパリと言い切る。




そんな潮見さんを見て
スタッフの皆さんはクスクス笑うと



「じゃぁまず衣装を決めて
メイクしましょうか。」


「最高に
かわいくしてあげるからね。」


「Kiriの顔が楽しみだぁ!」



私をカフェの奥へと連れて行った。







連れて行かれたカフェの奥にはパーテーションで目隠しがされていて、中にはフワフワのシフォン生地で作られたかわいいワンピースが所狭しと並んでいた。



ハンガーにかけられた沢山のワンピースから


「うう~ん、沙良ちゃんのイメージだと…白を基調にした方がいいかしらね。」


スタイリストのお姉さんが取り出したのは白のノースリーブのワンピース。フワフワのシフォン生地が風にゆられると天使の羽のようにフワフワと揺れていく。



「それに籠バックとこのサンダルと
このネックレスを合わせて…完成っ!」





お姉さんがチョイスしたのはファーのついたかわいい小さめの籠バックに少しヒールの高めなサンダル。
それに少し大きめのジルコニアの隣に小さなアクアマリンのついたシンプルだけど品のあるネックレス。





「わ…
かわいい……」





女の子らしい
ふわふわロマンティックなコーディネートは見ているだけで私の心をウキウキさせる。




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