ボクがキミをスキな理由【短編集】
「もし寒かったら…
このストール使ってね。」
そういって渡されたストールはお姉さんの私物の薄いピンクのストール。
「あ、ありがとうございます。」
そしてお姉さんに促されるがままに、パーテーションの外に出て行くと
「あ、かっわい~い!
じゃぁメイクしちゃおっか!」
待ち構えていた2人のヘアメイクさんに拉致されて、奥のテーブルにちょこんと座らされる。
「うーん、沙良ちゃんはそのままがかわいいから…ナチュラルメイクで行こうか。ピンクを基調に薄めにメイクしていこう。」
「じゃぁ…髪はどうします?巻きます?」
「いや…敢えて巻かずに毛先だけ内巻きにしよう。」
「了解っす!」
さっき潮見さんとじゃれていたオトコのスタッフ2人にされるがままに、私はどんどん変身していく。
見たこともない不思議な道具で
まるで魔法使いに魔法をかけられてるみたいなキモチで目をつぶっていると
「沙良ちゃん、目開けて??」
メイクさんに促されて
私はゆっくり目を開ける。
そこにいたのは……
「コレ…私……?」
見事に変身した
私の姿。