ボクがキミをスキな理由【短編集】
どうやら…
カレンさんとは、Kiriさんのマネージャのような役回りらしい。
それにしても……
あの“カレンさん”って人、どこかで会ったような気がするんだけど、どこでだっけ……??
なんだか聞き覚えのある名前に頭をひねらせていると
「きゃーっ!!」
「いやーん!!Kiriだぁ~~っ!!」
カフェの店員のオネエ様方の半狂乱な声が聞こえてきた。
「どうも。
おはようございます、潮見さん。」
「ども。
今日はヨロシクです、Kiriさん!」
どうやら抱かれたい男No.1
モデルのKiriが店内に
入ってきたみたいだ。
弥生ほどではないにしろ
なんだかんだでカッコイイ人には
興味のある、俗物な私。
「あ、こっちの指定どおり白シャツにジーンズで来てくれてありがとうございます。」
「いえ。こんな要望ならお安い御用ですよ。」
わ~!
わ~!
この薄いパーテーションの向こうには、あのKiriさんがいる。
そう思うと
なんだか胸がドキドキして
妙にソワソワして
落ち着かない。